アルミ押出プレス

等速押出/等温押出制御システム

RcdWin

機能説明

Keiichi Yoshio
RCDIGITAL,Inc.
November  2005


English Version

高速押出し

オーバーシュート防止

省エネルギー

圧力制限

傾斜押し

ダイスデータベース

頭出しの自動化

制御画面

押出データ収集データベース

10

コントローラのネットワーク対応

11

ラム速度制御盤

12

等温押出制御

13

生産量の増加と等温押出

14

アルミニウム押出管理とRcdWin

 

 

H O M E


 

注>RcdWinはWindows XPの.NETプラットフォーム上で動きます。RcdWinは安田金属工業株式会社様で稼動しています。rcdWinの工場見学をご希望の方はアールシーデジタル或いは、安田金属工業蒲lにご連絡をお願い致します。  お問い合わせフォーム

  

1高速押出し

@高速押出し

ラム速と設定速度の誤差がゼロになるように制御電圧をフィードバックすれば等速制御を実現できます。ここで、押出機の特性から求まる制御電圧をフィードバックから求めた電圧にフィードフォワードとして加えます。これにより、ラム速の立上がりが早くなります。このフィードフォワードの制御電圧は、オーバーシュートに対しては、即応性のある制御電圧として利用することが出来ます。

一方、フィードバックのゲインをあげることにより立ち上がりを早くする場合には、ハンチング、オーバーシュートの問題が顕著になります。

高速押し出しという言葉の意味は、フィードフォワードを考慮しない制御にたいして、フィードフォワードを考慮する方法をいろいろなダイス、設定速度にあてはめてみた結果から判断したものです。

技術的には、フィードフォワードだけはでなくフィルター、ゲインのパラメータの

動的な変更など種々の要素が絡んでいます。

高速押出しの例を図1−2から1−4に示します。

A押出機の特性

 

ここで言う押出機の特性とは、押出しの定常状態(ラム速が設定速度を維持している状態)の時のラム速と制御電圧との関係のことです。これは一次式で現すことができます。この関係を有効に利用することにより、立上がりを早くし、オーバーシュートを減少できます。

問題は、この関係が変化するということです。小さな変化(例えば季節的なもの、設備の関連の油圧異常など)に対しては、動的に関係式を補正します。ただ、もしオーバーシュートが目立つ、立上がりが悪い、などの現象が起きるようであれば、関係式を簡単な操作で入れ直すことができます。また、自動的に関係式を補正して行くように設定することもできます。RCDでは、最新のデータから関係式を計算し、図1−1のように表示する機能を持っています。

図1−1 押出機の特性のグラフ

 

図1−2フィードフォワードあり

説明> 設定速度は 6.2o/sec。立ち上がりずらいダイスです。

 

図1−3フィードフォワードあり

説明> 設定速度は 10.5o/sec 。立ち上りが中ぐらいのダイスです。

 

F1−4フィードフォワードあり

説明> 設定速度は 16o/sec 。立ち上りの早いダイスです。

注)押し出し開始から20秒以降、計測データがギザギザしているのは、計測時に圧縮したデータを表示しているためです。

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オーバーシュート防止

ラム速度の立ち上げのフィードバックゲインと等速でのフィードバックゲインを別にしているので、等速部分とは独立にオーバーシュート防止の調整を行えます。

また、フィードフォワードではラム速の勾配、誤差、押し出し機の特性を考慮して、オーバーシュートが極力起きないようにまたハンチングを防止して制御信号を計算しています。

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3省エネルギー

ラム速度が上昇するに伴い必要以上の制御電圧をかけても、無効流量となり、油温上昇、電力の損失につながります。これを防止するため、ラム速度と圧力の関係から、制御電圧が必要以上に大きくなるのを防止します。

ポンプの定格負荷と最大吐き出し流量を入力することにより、定格オーバーを防止します。

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4圧力制限

プレスの圧力が圧力制限を値をなるべく越えないように制御します。この値は、コンピュータのキーボードから、対話形式で設定できます。

次のような目的に効果があります。

●モーター負荷の軽減。

●電力の節減。

●リリーフから逃げてゆく無効流量の防止。

●油温の上昇の防止。

●ラム速をゆっくり立ちあげる。

或いは、機器、ダイス、マンドレルへの圧力負荷を軽減するために、圧力が制限値に達すると同時に下げることもできます。

圧力制限がオフの例を図4−1に、オンの例を図4−2に示します。

 

図4−1 圧力制限オフ

説明> 設定速度は 7.4o/sec。

 

 

 

 

 

 

 

 

図4−2 圧力制限オン

説明> 設定速度は 9.2o/sec。

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5傾斜押し

ビレットの後半部分になると、アルミ合金材質によっては、速度をゆっくり落として行き、製品の温度を適切にたもつ必要のあるものがあります。RCDでは図5−1のような傾斜パターンを、コンピュータのキーボードから対話形式で設定できます。

図5−1 傾斜押しのパターン

 

RCDによる傾斜押しのパラメータ入力画面を図5−2に示します。

図5−2 パラメータ入力画面

 

 

 

 

 

RCDによる傾斜押しの例を図5−3、4に示します。

図5−3 傾斜押し

説明> 設定速度は 6.1o/sec 終速度 5mm/sec。

 

図5−4 傾斜押し

説明> 設定速度は 9.7o/sec 終速度 5.4mm/sec。

注)押し出し開始から20秒以降、計測データがギザギザしているのは、計測時に圧縮したデータを表示しているためです。

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6ダイスデータベース

 

ダイスデータベースに制御情報を登録し、RCDと接続することにより以下のような利点があります。

  1. 押出し速度管理
  2. ダイスごとの最適制御
  3. 頭出しの自動化
  4. 作業者の負荷軽減と作業の標準化
  5. 作業指示書の簡易化

詳細はダイスデータベースDIESを参照してください。

 

 

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7頭出しの自動化

 

ダイスデータベースDIESを参照してください。

 

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8制御画面

次は収集データのモニター画面の例です。表示するデータにより多少の変更があります。
現場の制御画面ではボタンや入力BOXがありません。

 

FIG8-1 RcdWinMoniプログラムで収集したログデータをモニターしている画面

注>RcdWinMoniはRcdWinが登録したデフォルトで20,000件の押出データをRcdWinと同じPC、或いはネットワーク上のPCから日付と時間を指定して検索し、制御状況をモニターします。制御パラメータを変更して、出力電圧をシミュレーションできます。計測した押出データの出力電圧とシミュレーション値の比較ができます。

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9押出データ収集データベース

押出データ収集データベースRCCを参照してください。

 

 

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10コントローラのネットワー ク対応

コントローラをネットワーク対応させることにより、以下のメリットがあります。

 押出プロセスログデータをネットワークから取得でます。

 コントローラの制御パラメータを、コントローラを止めずにネットワークから変更できます。

 インターネットを利用して、リモートメンテナンスができます。

セキュリティについて>
 RCD事務所以外からのアクセスは グローバルIPの指定により拒否できます。
 ラム速関連パソコンだけでVPNランを作成するので、他の社内のパソコンにはアクセスできません。

 WEBサーバーを設置し、押出プロセス ログデータをSQLサーバーに登録することにより、インターネットエクスプローラ(IE)で制御状況をモニターできます。また、押出プロセス ログデータの帳票印刷も可能になります。

 

 

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11ラム速度制御盤

 

 設置する場所によりパソコン用の盤とFAクーラーが必要です。

 

FIG11-1パソコン制御盤とFAクーラー

 

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12等温押出制御

傾斜押しでは、アルミ形材の温度の上昇防ぐために、コンピュータに設定したパラメータにより設定速度を滑らかに傾斜させました。ラム速度は、その設定速度の傾斜に追随します。近年、アルミ形材の温度を放射温度計で測れるようになりました。そのため、コンピュータに予め設定した傾斜のパラメータではなく、直接形材の温度を監視しながら、形材の温度上昇を防止できるようになりました。等温押出の FIG12-1、FIG12-2 を見ると、傾斜押しと同じような設定速度のパターンになっています。傾斜押しと異なる設定速度のパターンを示すのは、温度に余裕がある場合です。この場合、FIG12-3,FIG12-4のように設定速度が傾斜するのではなく上昇しています。

注>温度の不感帯、傾斜の強度パターン、サンプリング周波数などの設定により設定速度のパターンは変化します。

注>現在は、ラムが初期値の設定速度に到達するまでは、等温制御を開始していません。等速制御開始から等温制御を開始した場合は、ダイスによっては初期値の設定速度が下がります。

注>FIGでは、ピンクの線が温度です。

FIG12-1 製品温度上昇防止のため、速度が傾斜しています

 

FIG12-2 製品温度上昇防止のため、速度が傾斜しています

 

FIG12-3 製品温度に余裕があるため、速度が上昇しています

 

 

 

FIG12-4 製品温度に余裕があるため、速度が上昇しています

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13生産量の増加と等温押出

アルミの押出で生産量を上げるためには、ラム速度の立ち上がり時間を短くし、設定速度を高くします。ただし、設定速度を上げると製品の品質不良発生の要因になるので、どれだけ設定速度を上げることができるかは難しい問題です。

品質不良発生の原因として製品の温度上昇があります。等温押出では、押出が定常後の製品温度の上昇を防止できます。そのため、定常後の温度の上昇分儺を、設定速度儼に換算します。そして、儼を設定速度の上昇分とします。これにより、温度上昇に起因する品質不良 発生を防止し、尚且つ生産量を増加させることができます。なぜなら、儼の速度上昇にたいして、増加する儺の温度上昇は等温押出で防止できるからです。

設定温度は押出が設定速度に到達し、定常状態になった時の温度にします。これにより、設定速度が与えられれば、設定温度は自動的にコンピュータにより押出制御中に求まるので、設定温度の指定の必要がありません。

押出時間は1分から30分と、アルミの合金やダイスの形状により異なります。等温押出は設定速度を上げることにより、生産量を増加させる方法なので、押出時間が長いものほど効果があります。

 

FIG13-1 等速押出に比べて設定速度を割増しています。ラムの立上がりで設定温度を自動的に求めます。等温押出で、ラム速度が傾斜しているのがわかります。

 

FIG13-2 押出の真ん中で製品温度が乱れています。そのため、自動的に一時等速モードに切り変わっています。製品温度が正常になると自動的に等温押出をします。

 

FIG13-3 等温押出システム図

 

 

 

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14アルミニウム押出管理とRcdWin

1-1 最適押出

最適な押出制御とは、不良品がでない、生産性が高い、品質がよいの3つです。この目的のために、ダイスごとに押出制御パラメータを変更します。パラメータには押出速度(設定ラム速度)、プラー張力、ストレッチ量、製品速度、ビレット温度、ファンパターン、ホール数、製品温度、早い立ち上がりで製品が飛出す特性を持つダイス、コンピュータ制御(RcdWin使用)の有無などがあります。

1-2 押出パラメータの自動化

押出順番をスケジューリングされたダイスNOを選択するだけで、前回押出のパラメータが各機械にセットされます(押出速度制御パソコン、押出プレス、プラー、ビレットヒーターなど )。オペレータには、前回の値が表示されるので、問題があった場合は修正します。次に該当ダイスを 使用した押出を行う場合は、修正した値がオペレータに表示され、その値で押出が行われます。
スケジューリングに変更があった場合は、変更のあったダイスNOをタッチパネルから入力します。押出順のスケジュールは自動的に
再スケジュールされます。

1-3 押出管理のメリット

 

1      

パラメータの設定が自動化され、オペレータの作業が軽減します。

   

不良が発生した場合、制御パラメータを調査できます。RcdWinMoniを使用すれば、その時の押出をモニターできます。

   

押出が標準化され、オペレータによりまちまちなパラメータになりません。

   

最適押出しパラメータを効率よく見つけ出すために、前回の押出パラメータがフィードバックされています。

   

押出順のスケジュールに変更があった場合も、再スケジュールします。そのため、緊急なダイスにも対応できます。

   

 

 

1-4 押出管理 システム図

 

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